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論理トレーニング101題【書籍レビュー】


はじめに

本書は2001年に発売された書籍ですが、今でも非常に有用な本であります。
スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会で紹介されており、友人も購入したとのことで、その流れに乗って購入しました。
実際に問題を解きながら読み進めることで、文章を的確に捉える訓練をすることができます。
現在は、前半の「議論を読む」(50/101題)までを読み終えた段階です。正答率は約50%(24/50題)です。この「議論を読む」についての感想を記載します。

本書の概要

「解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられない」と言って論理の実践的な訓練を推奨する著者が、好評だった前著『論理トレーニング』を編み直して、練習問題を101題にまとめたのが本書である。今回は練習問題のすべてに解答がつけられ、取り組みやすいよう体裁も整えられている。論理を構成する各概念の解説もとっつきやすい表現に直されていて、前作にあった教科書風の素っ気ない印象が薄まっている。
 全体は、「議論を読む」と「論証する」に大別されている。前者では接続表現や議論の骨格について、後者では論証構造や演繹・推測、論証の批判について取り上げている。
本書で身につく論理の力にはさまざまな効用がある。たとえば、論証の段で強調している「異論」(相手の主張と対立するような主張を立論すること)と「批判」(相手の立論の論証部に対して反論すること、対立ではない)の使い分け。ここで双方の言葉の概念を正確にとらえ、練習問題によって使い分けが可能になれば、討論のときなどにきわめて有用だ。本書はこうした論理の奥深い世界に読者を案内してくれる。
教科書として作られた本書に、個人で取り組む人が多いというのもうなずける。ひとり本書に向かって言葉と格闘し、煩悶(はんもん)し、その筋道をたどる作業が論理の力を鍛えてくれるはずだからだ。「頭の回転が速い」とか「知性的」というのは、こうした地道なトレーニングの積み重ねに負うところが大きいのだろう。通勤、通学時の1冊としてもおすすめである。(棚上 勉)

Amazone商品説明より抜粋

「議論を読む」

ノートに問題の回答を書きながら考えていくことで、文章の接続表現と構造を明確にしながら読む訓練*1をすることができます。普段は、頭の中でなんとなくイメージしていることを、明確に書き出すことは難しくトレーニングしている感が強いです。本書では、文章の捉え方を明快に説明されており、これまで言語化できていなかった考え方が具体化されていきました。例えば、『議論の骨格は、解説/例示(A=B)、根拠/理由/帰結(A→B)、付加(A+B)、転換(A↺B)の4つに分類される。*2*3私はこの分類は言われるまで言語化できていなかったです。特に、「=」などの記号で関係を表現することで、議論の骨格を捕まえるツールを得たと感動しました。そして、本書ではこのツールを使う練習問題とその解答が豊富にあり、題名の通り「論理トレーニング」ができます。
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おわりに

これまで文章を添削する機会はあり、それなりに訓練もしていたつもりでした。しかし、その添削方法は独学でありまだまだ改善の余地が多くあることが本書を半分取り組んでわかったことです。後半の「論証する」では、さらに添削能力向上に寄与するような訓練ができると期待しています。後半が終わったらまた感想を書きます。


*1:訓練(問題を解く)の際は、紙に(A~C)↺(D~F)のように文の構造を書く。

*2:本書Page43より抜粋

*3:また、同様の主張が継続する場合は(A~B)と表記する。