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ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来【書籍レビュー】

はじめに

『サピエンス全史』著者の新作『ホモ・デウス』の上巻を読みました。本書では、現在の私達が基本的な考え方としている発想がどこからきているのか、過去から現在において、我々の考え方はどのように変化してきて今後どうなっていくのかを予言しています。著者の最強の分析観点と膨大な調査によって、将来の予測は非常に説得力があります。本書は未読の方すべてにオススメします。

本書の概要

世界800万部突破の『サピエンス全史』著者が戦慄の未来を予言する! 『サピエンス全史』は私たちがどこからやってきたのかを示した。『ホモ・デウス』は私たちがどこへ向かうのかを示す。

全世界800万部突破の『サピエンス全史』の著者が描く、衝撃の未来!

我々は不死と幸福、神性を目指し、
ホモ・デウス(神のヒト)へと自らをアップグレードする。
そのとき、格差は想像を絶するものとなる。
35カ国以上で刊行され、400万部突破のベストセラー!

アマゾンWebページより

人類が向かう先

これまでは人類は飢饉、疫病、戦争が人類が取り組むべき課題リストの上位でした。例えばWikipediaでは飢饉の一覧が紹介されています。現代でも食糧危機は起きていますが、今では食べ物不足で死ぬ人よりも、食べ過ぎで死ぬ人の数が史上初めて上回っていると述べられています。また、平均的な人間は、疫病や戦争などで死ぬ確率よりも、マクドナルドの過食がもとで死ぬ可能性の方がはるかに高いともあります。つまり、飢饉、疫病、戦争は現代においてついに対処可能な課題になりました。
そのため、人類は今新たな課題に挑戦しています。その課題とは、不死、至福、神性!の3つです。人類は人間を神へとアップグレードしようとしているのです。

人を幸福にするものは

無数の思想家は幸福こそが至高の善と定義してきました。私もなにがきっかけかは不明ですが、私は幸せな人生を送りたいと思っています。思った先の行動としては、ラッセルやアランの幸福論を読んだり、幸福について検索してみたりしたことがあります。そして、なるべく幸せになれるよう努力したりしているつもりです。しかし、本書で幸福にするものは何か明言されていました。

人を幸福にするものは一つ、たった一つしかなく、それは体の中の快感だ。
~中略~
あなたの心の深部は、サッカーや仕事のことについては何も知らない。そうした部分が知っているのは感覚だけだ。もしあなたが昇進したのに、なぜか少しも快感が湧かないとしたら、満足感は得られないだろう。

つまり、どのような事柄が起きても(W杯決勝のアディショナルタイムで決勝点を決めても)、結局は自分の中で起こっている感覚に反応しているだけであると。非常に単純明快で身も蓋もない回答だと思いました。しかし、このことが解ればどのように過ごしていけば幸福を感じやすいかは見えてくるような気がします。自分に適切なハードルを課してそれをクリアして快感を得る、ということを長すぎず短すぎない頻度で繰り返しておけば、良い感じに幸せだと感じれる(錯覚する?)と思います。ハードルを課さないと容易に快感に到達できてしまい、頻度が上がるとその快感に慣れてしまうため、NGな気がします。お金はかかりますが、毎日好きなアーティストのライブに行くとか。
ありふれたライフハックのようになってしまいましたが、その根本はなにかを理解しておくことが重要だと思います。原因を理解できれば、ハッキングは容易なはずです。

人(サピエンス)が世界を支配している理由

サピエンスが世界を支配しているのは、彼らだけが共同主観的な意味のウェブ---ただ彼らに共通の想像の中にだけ存在する法律やさまざまな力、もの、場所のウェブ---を織り成すことができるからだ。人間だけがこのウェブのおかげで、十字軍や社会主義革命や人権運動を組織することができる。

サピエンスだけが架空の存在を想像できる、この虚構を共有できるから、サピエンスは世界を支配しているのです。
この理由の詳細は、前作の『サピエンス全史』特に上巻を読んでいただけるとよく解ります。サピエンスとは何者なのかを知ることができます。あまりの衝撃に明日の仕事なんてどうでもよくなります。*1

おわりに

いろいろ散らかったレビューになっていますが、個人的に好きな話を抜粋した感じです。最後に一番好きな一文を引用しておわります。

私たち人間は、本質的にはラットや犬、イルカ、チンパンジーとそれほど違わない。


*1:しかし、出社します。