YU2TA7KA's BLOG

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総理【書籍レビュー】


はじめに

2018年10月2日に第4次安倍改造内閣が成立しました。安倍内閣は2012年12月26日から開始しており、約6年の長期間の内閣となっております。それまでは毎年総理大臣が変わる期間があり、「あれ?内閣ってこんなに続くものだっけ?もしかし安倍さんってものすごい人なのでは?」と思い安倍氏に関する書籍を探し、本書を読むことにしました。
その結果、安倍氏とその周囲の方たちは国家観という常人では持ちえないだろう大きな見方をもって大事を為しているということを知りました。一方で政治を為している方たちも血の通った人間であり、いろいろなことを感じているということを今更ながら感じることができました。個人的に感銘を受けた部分を抜粋します。
なお、著者の山口氏は、安倍首相と個人的に仲が良いため、政治的な中立性はあまりないかもしれません。ただ、総理大臣とはなんたるかの片鱗を覗かせてもらったように思います。

一目でわかる内閣推移

誕生 解散 首相 備考
2006/09/26 2007/09/12 安倍晋三 健康問題などにより安倍総理が辞任し、解散となった。
2007/09/26 2008/09/24 福田康夫
2008/9/24 2009/09/16 麻生太郎
2009/09/16 2010/06/8 鳩山由紀夫 民主党へ政権交代
2010/6/8 2011/09/2 菅直人 3/11に東日本大震災発生
2011/9/2 2012/12/26 野田佳彦
2012/12/26 安倍晋三 自民党へ政権交代。2014/4/1より消費税5から8%へ増税。第4次安倍改造内閣として継続中。

総理大臣とは「どす黒い孤独」を背負わなければならない職業

麻生氏の証言として、『総理大臣とは「どす黒い孤独」を背負わなければならない職業』と紹介されています。
総理大臣も仕事の一つに分類されます。しかし、それは日本国に同時に二人として存在しない唯一無二の職業です。そこで感じるものは「どす黒い孤独」と形容されています。なんというか、、いろいろなスキルだけでなく、精神力や思想など強い自我をもっていないと立ち続けることすら儘ならない職業なのだと思います。そこに6年立ち続けるって、やはりものすごいことだと感じます。

伝達形式が重い意味を持つ。

第1次安倍改造内閣を検討する時に、麻生氏が安倍氏へ人事案を連絡するエピソードにおいて出てきた文です。具体的には、麻生氏はメールなどで直接人事の提案をするのではなく、直筆のメモに書きそれを著者へ託し安倍氏へ渡す、というコミュニケーションをされていました。これは、『ワンクッション入れたコミュニケーション手段をとることで、「この通りにしなくても構いませんよ」という思いを込めた』とあります。
本書から政治家の方たちは、FtoF、人伝いの伝言、電話などコミュニケーション方法によって、その言外の意味も多分に含ませた複雑なやりとりをしているようです。政治というのは、可視化されない部分の意味まで含めて考えないといけないということを感じました。身近なところでは社内政治がありますが、これを考える場合は政治家のやりとりが最高の教科書になるような気がします。苦手です。

後者でお願いします!

安倍氏が衆議院選挙に初当選し、麻生氏が飲みに誘った時の会話です。
『麻生「野党の新人議員じゃ時間を持て余しているだろうから、飲みに行くか?」』
『安倍「お願いします」』
『麻生「じゃ、ホテルのバーで制作を語るか、きれいな女の人が横に座ってくれるところに行くか、どっちがいいんだ?」』
『安倍「後者でお願いします!」』
まじか!と読んでいて思いました。これまでテレビや新聞で真面目に語る側面しか見たことがなかったため、このような熱い感情をもたれている人間味が感じることができ、面白かったです。

誰かがその遺志を継がなきゃ悲しすぎるじゃないか

2009年10月に急死された中川氏に関するエピソードでの安倍氏の一言です。中川氏は麻生内閣時代に酩酊しているような状態で記者会見を行い批判を浴び大臣職を辞した方です。その中川氏へ著者が密着取材を行った内容からの、急死とその後の周辺に関することが記されてあります。中川氏は生前に、拉致問題、教科書問題、人権擁護法案問題、アジア外交、農業問題、水資源問題、憲法改正など多くの課題に取り組まれていたとのことです。これらに対して安倍氏が『「誇りの持てる国づくりのために全力投球してきた昭一さんが、道半ばで斃れたならば、誰かがその遺志を継がなきゃ悲しすぎるじゃないか」』と語ったのです。
かっこよすぎる。。幸い私の近しい人はまだ誰も亡くなっていないのですが、いずれその日は来ると思っています。そうした時に、どうするかのヒントがあったように思います。

総理の激務

本書では安倍氏が総理大臣時の仕事内容がそれなりに書かれているのですが、24時間働いていると言って過言ではありません。国会では働き方改革、残業上限などが議論されていますが、その議論している当人達は見方によってはブラック企業に勤めているとも言えるような気がします。国を背負って毎日事を為している政治家の皆様に畏敬の念を抱きました。

おわりに

安倍首相やその周辺、またいわゆる永田町がどのようなものであったかの片鱗を上記のような内容から感じることができました。これ以外にもたくさんの生々しいエピソードがあります。2018年現在の日本国のトップがどのような人物であるかを知ることができる貴重な一冊だと思います。