はじめに
私は組み込みエンジニアですが、電子回路についてしっかりと学んでおらず、現場で困ったことがそれなりにあります。例えばデバッグ時に、SWかHWかの切り分けでHWメンバの言葉が理解できず迷惑をかけてしまうことがあります。そこで、下記で紹介されていた一冊である「電子回路が一番わかる (しくみ図解)」を読みました。そのレビューです。
私は何を学んだか
電気回路の基本法則を理解することができた
電子回路は、電気回路のオームの法則やキルヒホッフの法則をベースとしています。学校でオームの法則は学びますが、テスト問題を解くだけの理解で止まっていました。本書ではオームの法則に基づいて、電気回路の動作を理解し、それを制御する方法を学ぶことができました。
電子回路の基本動作を知ることができた
電子回路の基本動作として、電圧、電流の増幅など私が存在を認知していなかった動作があることを知りました。これで、電子回路を学ぶ地図を手に入ったと思います*1。
電子工作の例を知ることができた
6章では、それまでの解説をもとにヘッドホンアンプの製作方法など具体的な工作例をいくつか紹介してくれています。知識を使って、モノを作り出すゴールまでの説明があり、とても良かったです。ただ、私はトランジスタの理解が十分ではなく、なぜその方法でヘッドホンアンプが出来るのかも当然理解できませんでした。。
本書では学べなかったこと
電子回路の基本動作の原理
本書では電圧、電流の増幅する回路など電子回路の基本動作について説明があります。これによって、電子回路での現象としてどのようなものがあるか知ることができます。しかし、なぜそのような現象が発生するのかまでは説明されていません。本書は入門書なので、その説明を期待はしていないのですが、明記しておきます。
私の場合、トランジスタにおいて、p型半導体とn型半導体間のキャリアの移動する原理までは理解できたのですが、トランジスタでなぜ電流増幅が出来るのかまでは理解できませんでした。
おわりに
本書は素晴らしい入門書です。電子回路の世界に登場する要素を網羅してくれています。登場要素が分かれば、そこからググったり新たな書籍でさらに学ぶことができます。次は、トランジスタの動作についてしっかりと学んでいこうと思います。
これらの知識が現場で即座に役に立つことは無いと思います*2が、基本から学んでいけばHWメンバとのコミュニケーションが少しずつ楽になっていくと信じています。
電気とは、電荷の移動、相互作用によって発生する物理現象の総称。電流とは、1秒間あたりに通過する電子の電荷量。
— YU2TA7KA (@UGKGbrothers) October 30, 2018
電圧とは、電子を引く力のこと。
抵抗とは、電子の流れを妨げる力のこと。