YU2TA7KA's BLOG ~take one step at a time~

派生開発、組み込み開発周りのこと。

自作キーボード入門~hifumiキットを通して~

やったこと

1. 部品の選定、発注(1時間)

遊舎工房にて以下のパーツを購入しました*2

  • DSA 無刻印キーキャップ(1個)1u × 6*3
  • Kailh Speed スイッチ(10個)Rose Pink × 1
  • Pro Micro(単体)青基板 × 1

注意
2022年7月17日時点でコンスルー(スプリングピンヘッダ)が売り切れています。私は、以前に購入していた秋月電子のピンソケットと細ピンヘッダで代用しました。代用したので、課題が残っています(もうちょい長いスペーサーが必要)。
シングルピンソケット (低メス) 1×20 (20P): パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
細ピンヘッダ 1×40 (黒): パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

参考
電子工作工具がない場合→工具セット – 遊舎工房ショップ
電子工作の基本的な工具→TBD

2. 「ここからはじめる自作キーボード」を読む(1時間)

hifumi作成手順を理解するために、ざっと読みました。特にコンスルーが無いので、Pro Microをはんだづけする手順はどのような変更になるか理解するよう務めました。目次がしっかりされていること、内容は都度写真を踏まえて解説してくれており、大変に読みやすかったです。

3. Pro MicroにFWを書き込む(0.5時間)

QMK toolboxを利用して「testキーマップ」のFWをPro Microに書き込みます。

4. hifumiキットの組み立て(はんだづけによる各部品の実装など 2.5時間)

自作キーボードの主作業であるはんだづけです。まずはhifumi基板へ、ダイオード→リセットスイッチ*4→ピンソケットをはんだづけしました。次にPro Microへ細ピンヘッダをはんだづけしました。キースイッチは未実装ですが、この時点で、リセットスイッチでFWが消去されること、ピンセットを使って「testキーマップ」に沿っててキー入力できること、を確認できました。ここまで動作確認できれば、余程のことがない限り期待動作をしない、破損などは無いと思い、ヨシッという気持ちが高まってました。

後半戦は、キースイッチのはんだづけ、トッププレートとボトムプレートのネジ止め、キーキャップ装着です。一気にキーボードの形になり大変ワクワクしながらの作業でした。特に迷うことはなかったのですが、キーキャップの一つが不良品で悲しみでした。
だいたい無事に完成しました。1.~4.までで5時間くらいでした

課題

もうちょい長いスペーサーが必要

今回コンスルー*5が売り切れていました。代用として、ピンソケットと細ピンヘッダを用いました。これにより、Pro Microを期待通り取り外し可能な状態にできました。しかし、(物理的な話で)ピンソケットの分だけ高くなってしまい、書籍に付属のスペーサーではボトムプレートを床に接地できるところまで確保できなくなってしまいました。結果マイコンが床に接地されている状態でよろしく無いです。ピンソケット分の高さを踏まえたスペーサーをいつか購入したいと思います。

不良品(と思われる)キーキャップ

購入したキーキャップの一つが不良品な感じでした。キースイッチへはめる溝がないものでした>< こちらは問い合わせ中で、良品を再送いただけることを期待しています。

学び、気づき

「ここからはじめる自作キーボード」本から始めて良かった

本書の素晴らしい点は「失敗することを想定して書かれている」「すべきこと、注意することをわかりやすい文章で書かれている」「都度作業の写真が示されている」の3点だと思います。このような本で入門できて大変に良かったです。

「失敗することを想定して書かれている」

失敗しないように大変に気を遣って手順を示してくれていますが、それでも失敗した場合のケアを記載してもらえています。最悪失敗してもなんとかなりそう、と安心感ももって作業ができました。さらに、付属部品も予備が含まれていました。

「すべきこと、注意することをわかりやすい文章で書かれている」

1つ目の具体なのですが、文章が目的に沿って大変わかりやすいですし、簡潔です。本書は同人誌のカテゴリになると思うのですが、めちゃくちゃ校正されているのではと思いました。そして、口酸っぱくコンスルー使うことを勧められているのに、売り切れで入手できない状態だったのは心苦しいかったです。

「都度作業の写真が示されている」

百聞は一見にしかずということで手間だったと思うのですが、大量の写真が掲載されており、これも有り難かったです。各作業が正しいかどうか確認しながら進めることができました。

大きな不具合なく完成させ(てしまっ)た

無事に部品を破損させたり、はんだづけミスなどなく完成させることができました。それは良かったのですが、より深い知識を得るタイミングは問題が発生しその原因を理解し解決できた時だと思います。書籍にはトラブルシューティングの章があり、ここを体験できたらより学びが広がったかなと思いました。が、いつかぶち当たるだろうと思いますし、最初はサクッと成功してくれたほうがモチベ維持にもなりそうなので、今回はすんなりできたこれで良かったのだと思います。

自作キーボードの自作対象が広大すぎる

無事に今回完成し、自作キーボード入門ができました。この作成とは別に、self-made-kbds-jaというScrapboxサイトとDiscordコミュニティをざっと見ました。なんとなく知っていましたが、自作キーボード沼と呼ばれるように広大な自作対象がありました。
キーボードは組み込みシステムであり要素として大きく、「メカ(物理的な構造部分)」「エレキ(電気的な回路などの制御部分)」「ファーム(マイコンを用いたキー押下によるソフトウェア制御部分)」「UI(キーキャップなどの見た目部分)」「アプリ(キーマップカスタマイズアプリなど)」の5つがある認識です。そして、自作キーボード活動として、まずはキットや各部品を選定してそれを組み立てるところかと思いますが、その先に各要素を設計して形にすることまでが想定されます。どれか1つの要素を突き詰めるのも良いですし、全要素を自分一人で設計する選択肢もありですし、無限に遊べそうな感覚です。ワクワクします。

自作キーボードに辿り着いた経緯

Raspberry Pi Picoが家に余っていて何かに使えないかと考えたら、キーボード用のマイコンに使えないかと思いました。その方法について調べていたら、ほどなく「自作キーボード」界隈の情報にアクセスすることとなり、今回のhifumiキット組み立てとなりました。
私のキーボード歴なのですが、2020年メカニカルキーボードの購入が最初の興味でした。さらに2021年分割キーボードがほしいと思ったのですが、既製品でニーズに合うものがなく、そのときは左半分のみが実装されたゲーミングキーボードを購入し、フルキーボードと併用することで擬似分割キーボード状態にすることでヨシッ!(ぐぬぬ)としました。このとき自作キーボードキットでは私のニーズにマッチしそうなものもあったのですが、フルキーボードサイズをすべて自分ではんだづけして組み立てることは無謀でしたし、面倒(このときは使うことのみが目的で作る工程は別問題)とも思い断念しました。が、自作キーボードに入門したいという気持ちも生まれていました。ので、今回の入門はPico余りが最後のひと押しによるもの、という感覚です。

おわりに

hifumiキットを作る楽しい体験ができました。そして、作成のためにいろいろ情報収集したらいろいろ気づき、ワクワクがあり、これからも自作キーボード活動をしていきたい所存です。具体的にはやっぱりファームで、Rustでキーボードのファームを書いてみたいです。すでにRustyKeysというKOBA789さんの実績があり、これをまずはよく見ようと思います。Picoがどうやってキーボードデバイスとして認識しているのか気になります。あとは、エレキ部分もやらないにしても回路理解が浅すぎるのでそこら辺も知りたいです。

*1:hifumiは「ここからはじめる自作キーボード」の書籍に付属します。ここからはじめる自作キーボード – 遊舎工房ショップ

*2:必要な部品詳細:ここから始める自作キーボード

*3:好きな色を6個選びました。

*4:個人的にはFWイレーススイッチとか呼びたくなりますが、慣習と異なる認識です。

*5:基板へマイコンを取り外し可能な状態で接続できる部品